仕事を失って初めて雇用保険に入っていなかったことを知り、とても困ってしまったという人は多いのではないでしょうか? 雇用保険を正しく知って、本当は助かったはずなのにと後悔しないようにしてください!
仕事を失ったとき、仕事に就けなくなったときに助けてくれる雇用保険。どんなことをカバーしてくれる保険なのかな?
目次
雇用保険とは?
法律で決められた条件をクリアした状態で働いている人は、働いている本人や勤務先の会社が「嫌だ!加入したくない!」と言っても、問答無用で加入しないといけないと決められている保険。それが雇用保険です。
加入するための申し込みは、事業主がすることになっています。
雇用保険は簡単に言えば、働いている人がさまざまな事情で働けなくなったり辞めないといけなくなったりしたとき、次の仕事が見つかるまでの無職期間でも無収入にならないように国が給付金を出してくれるというものです。
つまり、仕事を自分の都合で辞めたときや育児休暇中で給料が減ったときなどに、「再就職がんばってね!」とか「安心して子育てに専念してね!」という意味でお金がもらえるという寛大な制度です。
応援されたら頑張れる気がするなあ!
雇用保険に加入できる条件とは?
では実際に雇用保険に加入するためにはどうすればよいのでしょうか?
さきほど、「自分が嫌だと言っても強制的に加入しないといけない」と書きましたが、実は誰でもよいわけではありません。
加入に必要な条件は以下の3つです。
- 31日以上、継続的にその会社で働く見込みがある
- 1週間で20時間以上の勤務時間がある
- 学生ではない
それぞれについてご説明します。
31日以上、継続的にその会社で働く見込みがある
一つの会社で31日以上の期間、継続して勤務することが見込めるかどうか、ということですね。
正社員なら一度就職したらこの条件は簡単にクリアすると思いますし、契約社員やパート、アルバイトなどでも31日以上継続して契約していれば、たとえ「3ヶ月の期間限定」という仕事だったとしても加入できます。
1週間で20時間以上の勤務時間がある
就職するときにその会社からもらう労働契約書に『所定労働時間が一週間20時間以上』と書かれていることが前提です。
労働契約書は、就職するときに条件とか会社の決まり事などをまとめた契約書のことですが、見たことはありますか? 必ずもらっているか、社員なら見ることができるようになっているはずですので、確認してみてください。
所定労働時間うんぬんという内容は、簡単に言えば『定時まで働いたとして一週間の勤務時間が20時間を超えるかどうか』ということ。なので、残業みたいに突発的な業務を含めて一週間で20時間を超えたとしても、それは対象にならないので注意しましょう。
学生ではない
高校や大学に在学している生徒や学生でも、働き方によってはこれまで紹介してきた条件を満たすことがあると思います。
でも実はいくら条件を満たしても、学生は雇用保険に加入できません。
その理由は、本業が学生だからです。
しかし、卒業した後も継続して同じ職場で働くことが決まっている卒業見込みの人、または休学中、夜間学部や定時制学校に在籍する人には、条件を満たすことで特例的に雇用保険に加入できるので、自分がその条件に当てはまっているか、確認してみてはいかがでしょうか?
つまり、学生ではない長期のアルバイト・パートは雇用保険に加入できるんだね!
雇用保険で給付される給付金の種類とは?
雇用保険でもらえる給付金には、その人の状況に応じてさまざまな種類がありますので、その種類ともらうために必要な条件について紹介していきますね。
求職者給付・就職促進給付
仕事を辞めたときに給付されるもので、新たな仕事を見つけるまでの間の収入を守ったり安心して次の仕事に就職する気持ちを後押しすることが主な目的です。
『失業保険』と呼ばれているので、なかには転職や退職時にお世話になったことがある方も多いのではないでしょうか?
もらえる金額は、機械的に決められた計算式で決定されます。
- 仕事を辞めるまでの6ヶ月間でもらった給料のうち、ボーナスなどの特別なものを除いた基本的な給料を全部足す
- その金額を180で割って1日あたりの金額を算出する(賃金日額)
- 算出した金額の50~80%を1日あたりの支給額として計算される(基本手当日額)
- 辞めた理由や年齢、雇用保険に加入していた時期などの条件に応じて90日~360日の間、支給される
支給される日数は、自分の都合で会社を辞めた(自主退職)のか、会社からクビと言われたり会社が潰れたりして辞めないといけなくなった(会社都合)のか、ということがかなり重要になってくるので、仕事を辞めるときは一度確認しておくとよいでしょう。
また、この給付金をもらうためには、雇用保険に仕事を辞めるまでの直近2年間で12ヶ月以上、退職する理由によっては直近1年間で6ヶ月以上加入している必要があるので注意が必要です!
そもそも雇用保険の大前提として、『働きたいという気持ちと、働くだけの力があって、仕事を探している人』のために支給される給付金となっています。自分の住民票がある地域を管轄しているハローワークに、離職票などの必要書類を提出して、ちゃんと真面目に仕事を探していないと、支給されません。
働く気もないのに給付金を受け取るのはNGですので、しっかり自分の胸に手を当てて聞いてみてくださいね?そんなルールを破って不正に受給を受けた人は法律で処罰されるので、正しく申告しましょう!
高年齢雇用継続給付金
60歳以上65歳未満で、これまで生きてきて5年以上、雇用保険に加入していたことがある人で、60歳の時の給料と60歳以降の給料を比べて、75%未満まで減ってしまっている状態で働き続けようとする人に対する給付金です。
どれくらい給料が減ったかによって支給される金額が変わり、一番多くても月給の15%相当額です。
また、もし60歳以降で再就職した場合は、別途『高年齢再就職給付金』というものも用意されており、高齢者に対する再就職を後押ししてくれています。
年齢にかかわらず、社会に出て第一線で働き続けやすくなっているということですね!
育児休業給付金
雇用保険に加入している状態で、通常なら1歳または1歳2ヶ月、特別な条件に当てはまっている人なら1歳6ヶ月または2歳未満の子どもを育てるために育児休業を取って休んでいる人に対する給付金です。
育児休業中に給料がもらえる会社もありますが、もらえない会社もありますよね。
あなたがもし『育児休業中は給料がほとんど支給されない会社』に所属している場合、休業が始まったときの給料の67%相当額が。休業が始まってから6ヶ月が過ぎてからは50%相当額が給付される仕組みなので、いずれにしても比較的安心して育児に専念できる給付金ですね!
介護休業給付金
雇用保険に加入していて、働きたいし働くことができる力もあるのに、家族の介護をしないといけなくなったことで仕方なく会社を休業している人に対する給付金です。
休業に入る直近6ヶ月の給料を合計して180で割った金額の67%相当が、休業している日数分だけ支給されます。
一回仕事に復帰した後も、同じ家族に対する介護であれば違う時期でも最大93日分支給されるようになっているので、仕事の不安を持たずにしっかり家族の世話ができるのも嬉しいですね!
教育訓練給付金
この給付金は、これまでとちょっと違います。
仕事がなくなって収入もなくなってしまったことに対する補償ではなくて、次の就職に向けて新らしい技術やスキルを身につけたい!という気持ちに対して支給される給付金です。
国が指定しているさまざまな教育訓練講座を受講してちゃんと修了すれば、そこにかかった受講料や入学料など、教育訓練にかかるお金の一部を支給してもらえます。
この給付金は大きく分けて以下の3つに分類され、それぞれ支給される教育訓練や支給を受けるための資格、支給される金額などが違うのでので、必要に応じて確認してみてください!
- 一般教育訓練給付金
- 特定一般教育訓練給付金
- 専門実践教育訓練給付金
給付金をもらう条件は、受講開始日までの間に一つの会社で3年以上、初めて受給する場合に限って1年以上、連続して雇用されていることとなっています。
雇用保険料がお給料から引かれて損だなと思っていたけれど、案外手厚い保険なんだなあ
働く気持ちを応援する保険なんだね!
副業でも雇用保険に加入できるの?
これだけ見ると「副業しているけど、副業だと雇用保険に加入できないのか?」という疑問が湧いてくると思いますので、その点についてご説明していきます。
本業の会社とは別の会社で働く場合の雇用保険の取り扱い
最近、ダブルワークや副業がブームとなっているので、実際に本業の空き時間に別の仕事をしている人も多いと思います。
雇用保険は、パートやアルバイトなどの正社員以外の雇用でも例外なく、上記で説明してきた条件に当てはまっているなら絶対加入しないといけないわけですが、一つだけ注意しないといけないのが……
『雇用保険は、同時に一人一つしか加入できない』
ということです。
複数の会社で加入できません。
原則として「自分の生活を維持するために必要な収入を得ている主な会社」、つまり本業の会社で雇用保険に加入しなさいよ、と決められているのです。
生計を立てるだけの収入を得ている本業では加入条件を満たしていることがほとんどでしょうから、その他の副業で条件を満たしていたとしても加入できませんし、加入する必要もありません。
仕事選びの際は雇用保険の有無を気にしておこう!
上記のように、雇用保険は強制加入させられてちょっと面倒だなと感じていた人も多いかもしれませんが、実はメリットも多く、誰でもお世話になる可能性が高い内容だと思いませんか?
でも、会社によっては雇用保険に加入しない場合もあるので、就職先を探す場合は加入できるのかどうかをチェックするようにしましょう!
いざ会社を辞める、育児休暇や介護休暇を取りたいなどの時、慌てても手遅れですからね……加入できるかどうかは求人の募集要項にも掲載されている場合がほとんどですが、不安があるようならプロの話を聞いてみるのも一つの手です。
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飲食サービス業をメインにさまざまな人と企業のお仕事をつなぎ、サポートしてきた経験により、最適な求人をご紹介してきました。そのため、雇用保険に加入できる会社なのか、自分は給付金を受け取ることができるのかといった相談に対応いたします。
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仕事を探すので精一杯で、雇用保険のことは考えてなかったな・・・